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市民後見人養成講座(H26.8.26)

H26.8.26

(21)「知的障がい者の理解」~90分

講師:障害支援施設 聖心園
   施設長 高橋 智秀氏
 
◆知的障がい者の特性と接するうえでの心構えについて学ぶ
『障がい者の定義①』
~障害者の権利宣言~
【1975年に「障害のある”人”」を定義】
・障害のある人と言う言葉は、先天的か否かに関わらず、身体的又は精神的能力の不全のために、通常の個人又は社会生活に必要な事を確保することが、自分自身では完全に又は部分的に出来ない人の事を意味する。
 
『障がい者の定義②』
~国際障害者年(1981年)~
【国連総会決議「国際障害者年行動計画」】
・障害のある人とは、その社会の他の異なったニーズを持つ特別な集団と考えるべきでなく、通常の人間的ニーズを満たすのに特別な困難をもつ 普通の市民と考えられるべきである。
 
『更に強調されたもの』
・物理環境・保健・社会サービス、教育、労動機会、スポーツを含む文化的・社会的生活全体を障害のある人々にとって利用しやすいように 整える義務を社会は負っている。
・ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉めだすような場合、それは弱くもろい社会である。
 
『障がい者の定義③』
~障害者基本法(第二条)~
一 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活 又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二 社会的障害、障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における、事物、慣行、観念その他一切のものをいう。
 
『知的障がい者の定義』
~知的障害者福祉法~
【この法律には「知的障害者」の定義は設けていない】
「知的障害児(者)基礎調査」(厚生労働省)
●知的機能の障害が発達期(概ね18歳まで)
●日常生活に支障が生じている。
●何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの。
 
『合理的配慮 SPELL』
①S=Structure 構造化
・絵、イラスト、写真、記号など、目で見てわかるコミュニケーションを工夫する。
 
②P=Positive approach 良いところを認める。
・うまくできたことをほめる。
・成功体験を積み、自尊心を高め、持てる力を伸ばす。
・具体的にどうすればよいのかを教える。
 
③E=Empathy 共感
・生きにくさを伝えられない人の心理状況に寄り添う。
 
④L=Low arousal 刺激を抑える。
・不必要な刺激、ストレスを与える対応はやめる。
 
⑤L=Links 連携
・家庭や地域社会、医療や福祉などとの幅広い連携や協力を求める。
 
『意思決定支援』
自己決定すること⇒支援=意思決定支援
・その人が心から納得して決定するよう支援することであり、支援者が「代行決定すること」ではない!
・知的障害の重・軽を問わず、意思決定支援の決め手は支援者との信頼関係である。

(22)「任意後見制度の仕組み」~60分

講師:大分公証合同役場
   公証人:富永 環氏
 
『任意後見契約』
【任意後見契約に関する法律が平成12年4月1日(介護保険法と同時)に施行。】
・老化はすべての人に平等にやってきます。ある日突然、脳梗塞や病気で倒れ、歩行困難や言葉が不自由となったり 、老人性認知症に対する不安や心配は共通の事柄です。このようなことに対する備えが必要です。
・精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況になった時に備え、十分な判断能力があるうちに信頼できる人を定め 、日常生活における身上の看護や重要な財産の管理を委任する契約を結んでおくことが重要な時代になりました。
・判断能力があるうちに、公証役場に当事者(委任者と受任者=任意後見人)が出向き、必ず公正証書でしなければなりません。(任意後見契約に関する法律3条)
 
《3つの契約類型》
1.即効型
・任意後見契約を結び、直ちに任意後見監督人の選任を申立て、選任があった時から後見事務を開始するもの。(この場合は医師の診断書が必要となるケース)
2.移行型~委任契約及び任意後見契約の2つの契約
・十分な判断能力はあるが、年をとって、足腰・手指も不自由の場合などに、一般的な①委任契約を結んでおき、将来認知症や精神障害等で能力が低下した時に 備えて②任意後見契約に移行するようにする。2つ(①と②)の契約をしておくもの。
3.将来型~任意後見契約のみ
・十分な判断能力があるうちに、将来、認知症等で能力が低下した時の為に備え、任意後見契約を結んでおくもの。

(23)「精神障害者の理解」(とよみ園施設実習)~240分

講師:地域生活支援センターとよみ園
   相談支援専門員:陶山武尊氏
 
『精神障がい者とはどんな人』
【精神保健福祉法の定義】
・総合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質、その他の精神疾患を有する者。
・精神疾患の患者数~H23年320.1万人
・平均在院日数~H23年調査
アメリカ:6.9日、イタリア:13.3日、スエ―デン:16.5日、イギリス:57.9日、日本298.4日
 
【とよみ園実習タイムシート】
・臼津地域の精神障がい者施設の現状と流れ
・社会福祉法人豊海会の概要
・精神障がい者の理解
・支援に際しての基本的態度や留意点。
・施設での活動状況・実際の対応方法。
・当事者の話
・当事者を囲んで
・障がい者への対応(DVD)

⑲「援助活動の意義①」~90分⑳「援助活動の意義②」~90分

講師:大分大学教育福祉科学部大学院福祉社会科学研究科
   教授 博士:衣笠 一茂氏
 
◆コミュニケーション技術を学ぶ
『相談援助の定義』
「一定の状況下において、ソーシャルワーカーとクライアントが、相談援助の目的をもって実施する相互作用・相互の影響のプロセス」
「H・パールマンの「4つのP」~問題解決アプローチ
①Person(相談者)
②Place(面接が実施される場所)
③Problem(対象となる問題)
④Process(援助課程)
 
『手段としての相談援助技術』
・援助関係を形成する
・情報の収集を行う
・問題解決のプロセスを共に歩む
・プロセスを通して、人格の成長に寄与する
 
『相談援助の環境』
①面接専用の部屋で面接
②生活場面で面接
③電話で面接
・相談者との姿勢、態度、距離、角度
・受容的態度と積極的傾聴の姿勢
・相談者との視線の角度
・話す速さと声の調子
 
『相談援助技法』
(1)面接を展開する技法
(2)感情に接近する技法
 
(1)「面接を展開する技法」
①アイコンタクトを活用する
・信頼関係の形成に重要な役割を果たす
②うなずく
・促し、関心、共感の三つのうなずき
③相づちを打つ
・相談の内容や話して欲しい内容の「焦点化」につながる
④沈黙の活用
・沈黙の意味を適切に理解することにより、「待つ」事の大切さを学ぶ
⑤開かれた質問
・「はい/いいえ」では答えられない質問
・相談者の事実、感情の表出、主観的な考えを引きだす際に使用される
⑥閉じられた質問
・「はい/いいえ」で答えられる質問
・「閉じられた質問」への回答の後の展開を大切にする
⑦繰り返し
・「聴いていますよ」というメッセージを送る
⑧言い換える
・「傾聴」の姿勢を具体的に示す有効な方法
⑨要約する
・傾聴の姿勢を示すと共に、取り扱うべき内容に焦点を当てることが出来る
⑩矛盾を指摘する
・一歩間違えばラポール(信頼)を破壊しかねないため、慎重で適切な取扱が必要
⑪解釈する
・問題解決に向けた、効果的な面接内容の「解釈」が求められる
 
※(2)感情に接近する技法は資料参照の事
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