うすきプラットフォーム
うすきプラットフォームのご報告
令和6年度 第4回うすきプラットフォーム
テーマ 「事例検討 障がい分野」
令和6年度うすきプラットフォーム第4回目を開催しました。
今回の事例検討は障がい分野の事例です。参加者で障がい分野に関わったことのある人は半分ほどでした。多機関・多職種によるプラットフォームでの事例検討では、これまでに関わったことのない分野についても考えることができ、多様な課題が重なっているケースに対して、多様な立場や経験を超え、多角的な視点を持つチームとして考える機会にもなります。課題が多様化・複雑化しているなかで自身の分野以外の困りごとに対し、課題や対応策を考えてみることによって、どこと連携すればいいか、どのような支援が必要か、見落としている視点がないかなど参考になります。
さぽーとセンター風車の矢野氏よりケースの説明があり、その後にケースの中で気になったことに関して、それぞれのグループごとに確認のための質問を行いました。今回のケースは、母親と二人で在宅生活を送っている軽度知的障害がある方の母親への暴力行為や母親による支援拒否が生じているといったケースであり、グループごとに検討し、次のような点を参加者全員で共有しました。
・共依存の傾向が強く、子どもの生活を支えること以外にも母親の生きがいや役割を作るとよいのでは
・本人と親の思いやこだわりがぶつかっているため、整理やルールづくりを行うとよいのでは
・第三者が本人と母親の間に入り、調整役を担うことが望ましいが誰が担うとよいか
・本人への支援だけでなく、支援者である母親の支援に対してもフォーカスしていく必要があるのでは
・見学等を重ねて施設サービスに対して本人と親の理解が深まれば不安を軽減し、安心感につながるのでは
・暴力行為があったときの約束事や対処を事前に決めておくとよいのでは・母親が亡くなった後が心配なため、後見人の説明等を事前に行っておくことが望ましい
・外部の関係者が少なく、家庭が閉鎖的な空間になっている。母親に対して、知人や地域等を含めた多様な支援者や相談相手からアプローチをしていくことが望ましいのでは
・支援についてのこだわりが強いため、もしもの時に対処できる地域等との関係性を支援者側でサポートするとよいのでは
・親なき後の問題は障がい分野の支援機関だけでは難しく、セーフティーネットとして協働できる機関を想定しておくことが望ましい
・この事例に限らず、家族の意見をもとに支援を組み立ててしまう傾向があるが、本人を中心に据えて考えつつ、支援者を支援できるようなサポート体制が望ましい
・また、問題との引き金(トリガー)となっている背景やきっかけ等を丁寧に紐解いていくためには、担当者が抱えてしまわず、多様な視点で意見を出し合えるサポート体制も必要
2回目の事例検討という事もあり、グループの話し合いはスムーズに進みました。困りごとを抱えた人への支援は、その分野の専門職だけでは根本的な解決や長期的な生活の安定にはつながらないということを、これまでの事例検討を通し参加者の間で共有ができました。今後も臼杵市の多機関・多分野の関係者同士がつながりを作り、安心して暮らせるまちづくりを目指していきたいと思います。