社会福祉法人臼杵市社会福祉協議会からのお知らせ
令和4年度 第11回うすきプラットフォーム
テーマは「望まない孤独・孤立への対応策を考える」
第11回うすきプラットフォームが開催され、今回は、「望まない孤独・孤立への対応策を考える~政策動向と“”臼杵の今”を重ねる」というテーマで検討を行いました。
ミニレクチャーでは、臼杵市地域力創生課の石井 義恭 課長代理より情報共有をいただきました。
日本では、令和3年2月より孤独・孤立対策担当大臣が司令塔となり、内閣官房孤独・孤立対策担当室を立ち上げ、政府一体となって、孤独・孤立対策に取り組んでいます。この背景には、「家族、雇用、地域社会のつながり・支え合い」の機能が低下しているといった社会全体の変化があるとのことでした。確かに、核家族化が進み、高齢者世帯や単身世帯が増えていることを感じます。
今後の方向性として、「人とのつながりや信頼感が醸成され、セーフティネットが形成されていくような豊かな地域づくり」を進めてくことが求められています。
また、複合化・複雑化した多様な課題に対応していくために、これまで以上に連携が必要であり、人口減少に伴って減っていく専門職や行政職といった関係機関間の効率的な情報共有のためにデジタルを活用していく視点も求められているとのことでした。
臼杵市では、うすき石仏ねっとという医療介護福祉の情報連携システムが整備されており、地域振興協議会という地域運営組織(RMO)が全ての旧小学エリアに設置されている等、他の地域に比べて先駆的な取り組みも進んでおり、今後どのように活用を進めていくのかが鍵であると感じています。
特に、今回のテーマである「望まない孤独・孤立」は様々な困りごとの根底に潜んでいることも多いと再認識しました。孤独というのは主観的概念であり、当事者がどのように感じているかが大切であり、一方、孤立は客観的概念であり、周囲から見て孤立した状態にあるかという視点で考えていくということも大きなポイントになります。
こうした望まない孤独・孤立が深刻化し、さらなる問題に至らないよう予防が大切になるという点も、各分野で既に取り組まれている相談支援や地域づくりの活動と同様です。当事者のニーズも多様であるため、多様な経路からできるだけ早期に課題をキャッチアップし、当事者の家族を含めた世帯単位でのサポートが必要であり、行政や支援機関だけでは支えられず、地域との連携も必須と言えます。「困っているから手を貸してほしい。」と支援を求める声を上げやすい地域づくりの重要性をあらためて考える機会となりました。
グループワークでは、「孤独・孤立に対して、どのように支援を届けられるか。どんな環境を整えていくことで支えていけるか。」について検討しました。
様々な意見が交わされていましたが、全体共有の発表では、「本人は支援を望んでおらず、周囲が困っている場合もある。懐に入っていくことが難しく、周囲から排除されてしまっている場合もあり、時間が掛かる。それぞれの状況に寄り添った対応が必要であり、なかなか解決できなくても伴走する意識が重要。」、「引きこもりの方など、長い期間が経てば経つほどに、以前の暮らしに戻るのが大変になる。タイミングを図りつつ、早め早めの対応を行うためにも早期の発見が大切であり、地域の見守りの目といった協力体制も必要。」、「特に高齢者支援では、大丈夫と言われてしまうことが多い。専門職には、見立て、見通すチカラが求められる。制度によるサービス利用に終始してしまわず、ボランティア等の多様な支援のメニューを増やしていきたい。」、「地縁、血縁、社縁が弱くなっているのは臼杵市も同様であり、見守りの目を広げていくことが必要。声掛けや顔見知ることで変わっていくことも多く、地域のイベントや活動に少しずつ参加するといった社会参加が経験となり、当事者の表情や考え方も少しずつ変えていく。」という内容でした。
孤独・孤立対策は、新しい取り組みがゼロから始めるのではなく、これまでの取り組みをしっかりと再構築し、目に見える課題にサービスをあてがうだけでなく、生きづらさや困りごとといった原因にしっかりと目を向けていくといった「今ある支援の見直し」であることを共有できました。
次回のプラットフォームは、令和4年度の振り返りを行いつつ、次年度のうすきプラットフォームの運営について考える回としています。
【配布資料】
・資料:臼杵市地域力創生課(説明資料)
中央地区振興協議会「うまいもん市」(チラシ)
・参加機関